優しい魔女は嘘をつく


楽しませておいて、最後の最後で本当の事を伝えて幸せな時間を壊して。



神様って、なんなの。悪魔かなにかの間違いなんじゃないの?






「……駒森、ごめん」





唐突に、堂本くんが呟いた。





「……事故のことを言わずに黙ってた方が、何も心配せずに四十九日過ごせるって思ってたんだ……」



「……」




「それで未練も無くなったら、悲しいことなんて思い出さずに消えられる」





それが今となっては裏目に出ている。


このまま知らなければ良かったのに。堂本くんの言う通り、私は幸せなまま天国へ行けただろう。





「……でも、それは堂本くんの考えじゃないんだよね」