ホッとした半面、なんだか寂しかった。
このまま消えてしまうなんて考えたら、もう少しやりたいことがあったんじゃないかな、なんて思った。
心残りがあるとすれば、「魔女」が誰だったのか、という謎を解けなかったことだけかもしれない。
もう、咲良しかいない、と思っている私だけど。まだ、納得がいかない。
私に手紙を書くぐらいなら、直接話せばいいだけの話じゃないか。
でも、咲良が違う、と言ってしまえば、それこそ迷宮入りになってしまう。
私のことが見えている人が他にいる可能性がある、ということだ。
名乗りでないのは、堂本や咲良と同じで、周りの人達から変な風に見られたくないから?
それとも、堂本くんが嘘をついていて、本当は手紙を書いている、なんてこともあり得なくはない。
堂本の字の綺麗さは、女子並み……というか。



