優しい魔女は嘘をつく



もしかしたら、もう、手遅れなのか?





「堂本くん?」───驚いて、不安そうにこちらを見る木越に向かって、俺は言った。




「……もうやめろ」





喉の奥から絞り出されたような声は、震えていた。情けない声だった。





「なんで?今探さなきゃ、初美はこのまま───」




「木越」





遮るように彼女の名前を呼ぶと、今にも泣き出しそうな顔で、「なんで」と聞いてきた。




震える息を吐き、俺は言い放った。








「あいつは、絶対に俺が見つけるから」