「ねぇ、初美を知らない?」
木越もどうやら駒森を探していたようだった。
木越に、昨日の放課後駒森を見たか、と尋ねたら、木越は横に首を振った。
それから、さっきから探していたけど見つからない、と伝えたら、木越は「そんな……」と重い息を吐いた。
「早く探さねぇと時間がねぇのに……」
「うん。でも、どこにもいないんだよ」
いよいよ不安になってきた。
「まさか、校舎の外にいるんじゃねぇの?家とかは?」
俺が聞く。そしたら木越は逆にこんなことを聞いてきたのだ。
「……堂本くんって、初美が学校の外に出たところを見たことがある?」



