優しい魔女は嘘をつく


考えれば、駒森と別れたのが四時で。



もし駒森が教室にいたら、それから二時間も、あいつが待っていたということになる。いくらなんでもそれはない。




……なんか、怒って勝手に一人で帰りそうだし?









それから俺は、校舎の中を走り回って駒森を探した。






でも、見つからなかった。向こうも逃げててすれ違いになってるなんて……そんなことはないと思うけど。




結局、SHRが始まる少し前まで粘って探し続けたけど駄目だったので、諦めて教室に戻ることにした。






「あ、堂本くん……」





トボトボと歩いていると、廊下を曲がったところで目の前にいた誰かが呟いた。



顔を上げると、そこにいたのは木越だった。