そういえば……あいつ、帰宅部だっけ。
前に本人から聞いたけど、帰宅部の下校時間って、確か、四時半だった気がする。
まさか……俺が遅れたから、もう帰ったとか?
なら、もうどうしようもない。駒森の家なんて知らないし……明日の朝、話すしかないか。
ため息をついて、俺は手に持っていた手紙を床に置いた。
ちゃんと見えるように上向きにして、開ける。あぁ、そういや、前にも同じことをしたっけ。
幽霊になって教室にいた駒森を見て驚いて、あの時……俺、なんて書いたんだっけな。
『わり……今行く』
結局その日、駒森に伝えられなかった。
俺達は先生に見つからないように、特別教室側の階段から降りて生徒玄関に向かった。



