優しい魔女は嘘をつく

まだ明るい空には、橙色に光る輪郭の雲が流れていた。




教室に差し込む淡い色の光。並べられた机。私の教室。私の席。




目の前にあるすべてのものが。汚れていない空気だとか、窓の外の同じ景色だとか。



私が″透明″になったって変わらない、綺麗な世界だとか。




すべてが、嫌で──。






そこでふと、私は思い付いた。





じゃあ、全部、無かったことにすればいいんじゃないか。



きっと、私に限られた時間は少ないだろうけど。楽しいことがあれば、すぐに忘れられる。




今日から私は透明人間。

今日から、私は透明人間。






今日から、私は、透明人間。