私が聞くと、果夏は少し視線を落として、小さく頷いた。
それは、ずいぶん前に遡る。
昔、私達がまだ小さかったとき、ちょっとした喧嘩のようなものが起きたのだ。
果夏の家の近くには、小さな山があった。私たち三人はそこで、よく遊んだりしていた。
その日も、その山の近くで三人で遊んでいた。
そして、私と果夏が、咲良を山の探検に誘った時だった。
いつもならついてきていた咲良は、その日は何故か、参加しよう、と言わなかったのだ。
果夏と私はどうしても行きたかったから、咲良を強引に引っ張って歩き出した。
最初は『いいよいいよ』と苦笑いで言っていた咲良だけど、だんだん山に近づいてきたら、『嫌だ、行きたくない』と言い始めた。
それでも説得すればいいと思った私と果夏は、無理矢理連れていこうとした。



