優しい魔女は嘘をつく


目を閉じると、視界が真っ暗になった。




もう、このまま消えてしまいたかった。いっそのこと、本当の″透明″になりたかった。




だって今になって気づいたんだもの。全部、今まで「魔女」が隠していたことに。





「ほんと、馬鹿だ、私……」





そう言って自嘲すると、乾いた頬を涙が伝った。……もう、どうでもいい。




後ろで窓が揺れる音を感じた。風が吹いているみたいだった。夜の風は冷たいんだろうな、と思った。




震える手で膝を抱えて、顔を埋める。





同時に私は、思い出していた。








今から一ヶ月と少し前の、あの日のことを。