窓に目を向ける。雲の隙間から覗く青空と、中庭の緑に降り注ぐ黄金色の光。 ……あ、れ? 同時に、ずっと記憶の片隅にしまっていたあることが、私の頭には浮かんでいた。 そこでふと、思い出す。 『私、嫌だよ……』 何度も聞いてきた声の正体が明らかになり、目の前にいる人物と重なったとき──。 咲良が口を開いた。 「────」 私は無意識のうちに、その場から逃げるように走り出していた。