「おかしいよ、そんなの……。悪いのは全部、果夏の方じゃん!」
「……」
「初美がかわいそうだよ!なんであの時引き留めたりしたの!?あんなことしなきゃ、初美は今頃……」
私……?
なんで……?どういうこと?
引き留めた、って……いつのこと言ってるの、咲良。私、果夏に引き留められたことなんて……。
咲良の言葉の意味が分からず戸惑う私を無視して、果夏はまた大声で返した。
「見てたなら止めてればよかったじゃん!あたしが何の話をしてたのかも知らないのに、勝手なこと言わないでよ……!」
果夏まで、泣いていた。
その時、パアッ、と中庭から差し込んだ光が廊下を照らし、明るい色にリノリウムを染めた。



