優しい魔女は嘘をつく


堂本くんの透き通った声が、私を呼ぶ。




「なに?」──振り向いて、驚く。



堂本くんは、私のように馬鹿みたいに笑っていなかった。真っ直ぐ、私の瞳を見つめていた。



どくん、と心臓が音をたてる。





「ずっと前から……話したかったことがあるんだ」




え、えっ?なに、この流れは!?



私は理解ができなくて、戸惑っていた。



というより、何を言ってくれるんだろう、と興奮していた。



でも、堂本くんがふざけてなくて、何か本当に大切なことを言おうとしているのが分かった。






「放課後。この教室で待っててくれ」






私はドキドキしながら、「分かった」とだけ答えた。