優しい魔女は嘘をつく


安堵とか不安だとか、魔法だとか痛みだとか。もう何がなんだか分からない。




「う……うぅっ…………」





誰もいなくていい。

誰もいらない。

ひとりになりたい。





──堂本くんなんて、いなくなればいい。





そう思う自分なんて、どこにもいないはずなのに。だって私は、堂本くんのこと……。




ポロポロと涙が溢れてくる。苦しくて辛いのに、自分じゃ何もできない。





「分かん、ない……」



「……」



「なんで、なんでなの……っ」






金切り声で私が呟いた、その時だった。