優しい魔女は嘘をつく


「私は本気なんです」



「え、ええぇ…………」





咲良、本当に本当にどうしちゃったの!?



変なものでも食べたんだろうか。それとも、どこかで頭を打ったのだろうか。



目からうろこ状態で、固まってしまっている私に、咲良がたたみかけるように言った。






「初美、答えてよ。真剣に」





うっ、と言葉を詰まらせる。




立場が逆転していた。



いつもなら私が、咲良にどんどん押し倒す勢いで質問して、咲良を困らせているはずなのに。




どくん、どくんと心臓が煩くなる。熱くなる顔、震える唇。





そこでふと、あることに気づく。