優しい魔女は嘘をつく


頭痛の間隔が短くなり、速くなる鼓動と重なった。目の前にいる彼女は……誰?







『……もういい。好きにしてよ』









──それは、紛れもない私の声だった。




プツン、とそこで終わった映像。






低く、吐き捨てるように言った私の声が、その後もぐるぐると頭の中をまわっていた。




気持ち悪い……頭が痛い。



何か大切なことを忘れているような気がするのに、どうしても思い出せない。





気分の悪さに耐えられなくなった私は、近くの壁に手をついて体を支えた。





「駒森?」──そんな私に、すぐに堂本くんは気づいたようだった。