優しい魔女は嘘をつく


勢いよくドアが開いた音がして振り向くと、息を切らした堂本くんがいた。




「堂本くん、どこに行ってたの?」



「あー、ちょっとな」





そう言って言葉を濁した堂本くん。そしたら、初美がいきなり目を輝かせて言った。





「衣装すごいね!全部手作り!?堂本くん、かっこいいね!!」





堂本くんを見て、テンション上がりまくりの初美。……まだ見てなかったのかな?



堂本くんは、「別に」と言ったものの照れて目をそらしていた。





「緊張するな。本番となると」



「うん。でも、練習通りにやれば大丈夫だよ」




私の後に「頑張ろうね!」と、初美が言った。



「なんでお前が言うんだよ」と、堂本くんが笑う。