「右足から…………左にターンで、左に動いて、左足……」
昨日の体育館での練習を思い出して、声に出して確認していると。
前から来た人にぶつかって、バランスを崩して転けてしまった。
「痛っ……」
誰?
顔を上げると、そこに立っていたのは……果夏だった。
わざと絵の具をとばして汚した三角巾。エプロン。……もう一人のシンデレラ。
果夏は上から私を見下ろしていたけど、すぐに何事もなかったように横を通りすぎていった。
私は一人、手をついて立ち上がる。その時、後ろから急に「わ!」と声が飛んできた。
驚いて振り返ると、初美がいた。
「あ、ごめん。今、準備中だった?」



