「じゃ、じゃあ行きますね」
「本番頑張ってね!」
「はいっ」
手鏡を地面に置いて、立ち上がって係の人のところに向かう。
その後、私はダンスの振り付けや、全体の動きの最終確認をした。
家で練習もしたし、台詞は完璧だったから、不安なのは舞踏会でのシーンだ。
私は踊るのが苦手だし、堂本くんも苦手だから……。
練習ではなんとか会わせられたものの、まだ不安なところがある。
クラスメイトが、ステージで舞台のセットを始めた。慌ただしくなる舞台裏。
閉じられた袖幕の向こう側から、話し声や足音などが聞こえてくる。
全校生徒がいるんだと思うと、緊張して心臓が暴れだす。



