『いいよいいよ。矢田に言わなきゃバレないし、靴なんて大したものじゃないでしょ』
『え、あ……』
先生の靴……大したものだと思いますが。
そんな成り行きで、今に当たる。
堂本くんにそれを話すと、「なんでもアリなんだな」と苦笑いをした。
「咲良ちゃん、約束は守ってよ?矢田には内緒だからね」
「私が持ってくる、ってことになってるので、大丈夫です」
本当になんでもアリなんだな、と思った。
堂本くんはクラスメイトに呼ばれて、台詞などの最後の確認を始めていた。
「や~、咲良ちゃんはやっぱ可愛いわ!靴ぐらい何足でも貸してあげるわよ」
ありがとうございます、と言って笑うと、「木越さん」と今度は私が呼ばれた。



