「凄いね!演技上手いから、凄く目立ってたよ!」
私がそう言うと、咲良は照れながら、口パクで「ありがとう」と言った。
それじゃあ、やる気のなかった王子のところに行くとしよう。
一人であぐらをかいて、体育館の隅に座っている堂本くんの元へと私は足を進める。
「お疲れさま」
声をかけると、堂本くんは俯いていた顔を上げて私を見た。
何やら不機嫌そうな顔でこちらをみているけれど。先生に注意されたから、ご機嫌ななめなのかな?
しばらく沈黙が流れた後、堂本くんがさっきと同じように深いため息をついた。
なんだろう、怒られるのかな。と息を呑んだら。
「ちょっと付き合え」



