「こんばんは」

日中、学園で会う時とは違う、ぱっちりとした瞳でティーダを見下ろすルナ。

「何だか、ティーダに会うような気がしてたわ」

「ルナもか」

ティーダは目を丸くする。

ティーダも、ルナも、こんな事が昔あったような気がしていた。

この鎮守の森の朱い鳥居で、2人は遭遇したような気がするのだ。

「夜は吸血鬼の領分だから、だっけ?」

いつぞや聞いたような気がする台詞を、先にルナに言ってみる。

ルナもまた、少し目を丸くした後。

「そう…そうだけど、今夜は少し約束があって」

そう言って、ヒョイと軽やかに鳥居から飛び降りる。

結構な高さの鳥居なのに、ルナは難なく着地した。