狐に摘ままれたような顔をする龍一郎。

これは一体どういう事だ?

まだ夢見てんのか、俺?

不可解で奇妙な事は、天神地区に住んでりゃ大概は慣れたけど、死んだ人間まで生き返ってるのは流石に想定外だぞ。

いや、死んだ人間が生き返ってるってよりは…。

「ほらほら兄ちゃん、朝から馬鹿言ってないで」

呆れ顔で、蒲公英が龍一郎の背中を押す。

「さっさと顔洗って朝ご飯食べてよ。学校遅刻するよ」

はて…。

何で俺、学校行かなきゃいけねぇんだっけ…。

今日授業参観かなんかあったか?

または体育祭の保護者参加競技とか?

まだ認識し切れていない龍一郎は。

「うわあああああああああああああ!」

本日最大のサプライズを、洗面所で目撃する。