みるみるうちに減っていく鍋。

あっという間にビーフシチューは完売だ。

その大半は、龍一郎と龍乃によって平らげられてしまった。

「ふー、腹一杯だあ。ばあちゃんのビーフシチュー、店出せるんじゃね?」

膨れた腹を撫でながら、龍一郎が言う。

「洋食屋とか出来そうだよね、にゃは」

ペインの料理はビーフシチュー以外も美味しい。

その事を知っている龍乃も賛同する。

「有り難う。2人に誉められるって事は、私も自信持っていいのかしら」

上品に微笑むペイン。

その傍らで、蒲公英は食器の片付けを始める。

「あら、ごめんなさい蒲公英ちゃん、私も…」

「いいよいいよ」

蒲公英は、隣に立つペインの背中を押す。

「洗い物は私がやるから。お風呂でも入って、ゆっくりしてて?」