天神学園の奇妙な案件

鍋からコトコトと、音が聞こえ始める。

その頃になると、家族がだんだんと帰宅し始める。

「いい匂いだねえ」

龍娘流拳法道場を終えたノエルが。

「そうか、今夜はビーフシチューか」

目を細めて拓斗が。

「うひゃー、いい匂い!アタイに味見させて、味見!」

教師の仕事を終えて龍乃が。

みんな、ペインのビーフシチューを楽しみに帰ってきたようだ。

「もう出来てっか?」

最後に帰ってきたのは龍一郎。

ただいまも言わず、ドタドタと台所に駆け込んでくる。

「もう少し煮込まないと駄目かしら。お腹空かせてるのにごめんなさいね」

謝るペイン。

「いいって、ばあちゃん。んじゃ俺、部屋にいっからよ。出来たら呼んでくれよ」

そう言って階段を上がっていく龍一郎の頭には包帯。

「龍一郎君、あの怪我どうしたの?」

ペインが蒲公英に訊ねる。

「ティーダっちと稽古中に、剣でサクッと。兄ちゃん、朝から決闘もしてたんだよぉ。雷声?とかいう技使って引っ繰り返ってた」

「まぁ…」

ペインは心配そうに表情を曇らせた。