天神学園の奇妙な案件

小走りに走りながら、蒲公英は家路を急ぐ。

「ただいまー」

玄関を開けると、台所から甘いような香ばしいような香りが漂っている。

料理が得意な蒲公英にはすぐに分かる。

おばあちゃん、もう始めてるんだ。

玉葱を炒めてるんだね。

「ごめん、おばあちゃん、遅くなっちゃった」

鞄をソファに置いて、エプロンをつける蒲公英。

「あら、お帰りなさい蒲公英ちゃん。いいのよ、一休みしてても」

「ううん、大丈夫だよ」

振り向くペインに言って、すぐに隣に立つ。

ペインのビーフシチューは絶品だ。

何でも作れる蒲公英だが、ビーフシチューはどうしてもペインには敵わない。

(今日こそおばあちゃんから、その技を盗まなきゃ)

ペインは料理の師匠でもあり、ライバルでもあるのだ。