「ルナが?」

キョトンとする龍一郎。

「蛮を諦めさせる為に、龍一郎と一芝居打ってたって言ってたの…キスも本当にはしていないって…私には関係ないけど」

窓の外を眺めながら、素知らぬ態度で言うすず。

「蛮とは、もう一度よく話し合ってみるって言ってたの…龍一郎は彼氏のふりはもういいって」

「…そうか」

くたびれ儲けだったなと。

龍一郎は苦笑いする。

「それじゃあ私は授業戻るの。喧嘩好きのスペシャルバカには付き合っていられないの」

さっさと保健室を出て行くすず。

「おー、すず先生」

龍一郎は彼女を呼び止める。

「保健室まで運んでくれて、ありがとな」