天神学園の奇妙な案件

天神学園の保健室で、ルカは傷と魔力を癒していた。

アストラル・ユースティティアという、言うなれば台風5つ分の威力を持つ大技。

自然災害を5回分まともに食らって尚生き延びたルカは、人間としては破格の耐久力だったと言える。

メメントモリには劣るものの、恐らく禿鷲が食らっても只では済まない威力だろう。

それを受けて死ななかっただけでも、ルカは大したものだった。

魔力の回復よりも、傷の回復の方が遅かった。

それでも、彼は体が動くようになり次第、自分の時代に帰る事を伝えた。

「そんな急がなくていいじゃねぇか。しっかり体治して帰れよ」

龍一郎の言葉に、ルカは首を横に振る。

「バツが悪いです」

「…それもそうか」

すずと顔を見合わせ、笑う龍一郎。

龍一郎との賭けには勝った。

しかし、タイマントーナメント優勝したのはティーダ。

「結局、正しかったのはあなた方だという事でしょうか」

釈然としない表情で呟くルカ。

「正義かどうかなんて、分かりゃしねぇよ」

ティーダが言う。

「俺は、龍一郎の言い分と同じだったから、龍一郎の味方をしてお前を倒したかっただけだ。他の人間に訊いたら、お前のやり方の方が正しいって言うかもしれない。勝ったから俺の方が正しかったなんて言うつもりはねぇよ」