「らあああああっ!」

龍一郎は自分から仕掛けた。

地を蹴って勢いをつけながら顔面に掌打を放つ、迎面一腿加戳掌(げいめんいったいかたくしょう)!

しかし距離感が甘かったのか、掌打は今一歩の所で空を切る。

その間隙を突き、横薙ぎの十字架を振り払う蛮。

「がっ!」

横腹を打たれ、龍一郎の体がくの字に折れた。

更に蛮は十字架を振り上げ、龍一郎の背中に!

龍一郎は思わず膝をつく。

「見てくれ、ルナ!」

蛮はルナの方を見る。

「僕だって戦える!僕だって、君の彼氏を倒せるくらい強いんだ!」

「っ…」

自分が彼氏役を押し付けたせいで、龍一郎が傷ついている。

唇を噛むルナ。