天神学園の奇妙な案件

仕切り直し。

両者はリング中央で睨み合う。

『龍一郎、あの女の動きは厄介だ』

「ああ」

頷く龍一郎。

極度に柔軟な肉体を持つすずは、その柔軟さを駆使した流麗な動きで仕掛けてくる。

大技が多いプロレスを得意としながら、その仕掛けを見破りにくい。

気が付けば懐に入り込み、投げや打撃を仕掛けてきているといった感じだ。

『早速出番なのではないか?』

「…かもな」

ふっ…と。

小さく息を吐く龍一郎。

次もすずからの攻撃だった。

タックル、と見せかけてのロックアップ(組み付き)!

そこから素早く龍一郎を首投げし、転がして寝技に入ろうとするが。

「!?」

想像以上に簡単に、龍一郎は軽く投げられた。

いや、これは投げられたのではない。

自ら跳んだのだ。

そうやって空中で身を捻って見事に着地した後。

「そりゃあっ!」

背面部で体当たりし内部の勁と外部の打撃を同時に与える八極拳の一手、貼山靠(てんざんこう)!

体勢を崩すすず。

そこへ更に。

「もう一発!」

瞬時に間合いを詰め、背面部で体当たりする鉄山疾歩靠(てつざんしっぽこう)!