「……」

大会控室。

龍一郎はゆっくりと目を開いた。

「来たな、ティーダの奴。エライ魔力上がってんじゃねぇか。どんな修行したんだ?ルナやすず先生の魔力量もすげぇな…あの2人は稽古している素振りも見せてなかったのによ」

『そういう貴様も』

禿鷲が笑う。

『魔力を感知出来るようになったのだな。魔術師でもない只の人間の分際で』

「ああ」

空手着の黒帯を締め、龍一郎は頷く。

「じいちゃんに聴勁を教わってからだな、こういう事が出来るようになったのも。人の気配とかにも敏感になった感じだ」

龍一郎は龍一郎で、この1か月の修行の成果が出ているようだ。

万全を期してきたという事か。