「で?」

蒲公英はココアを一口飲む。

「どうしたの?急に。何か用事だったかな?」

「……」

手にしたカップに口を付けないまま、ティーダは俯き加減。

何か深刻な話だろうか。

「あのさ、蒲公英」

「うん」

「俺な、今物凄い必殺技修行中なんだよ」

「タイマントーナメントの為に?」

「ああ。ハロウィンの日に、屋上で蒲公英に見せた技あるだろ?あれのもっと凄いの編み出そうと思って、今必死に頑張ってんだ」

「あれより凄いの?ホント、ティーダっち凄いなあ!あれでも十分に凄かったのに、もっと凄いのが出来ちゃうんだ!」

「いや、出来ないんだよ…」

「は????」

「一応術式的には出来上がってるんだけど、肝心な魔力が今の俺には足りなくてさ…」

「そ、そうなんだ…よくわかんないけど…」

「でな、蒲公英」

「うん」

「キスしてくれ」

「うん………………はあっ?」