「い、いやぁ…」

龍一郎、汗ダクダク。

「じいちゃんの稽古が厳しくてよ…こんな時間だけど眠くて仕方ねぇんだよ…」

「汗凄いよ?先にシャワー浴びた方がいいんじゃない?」

「え?あ、ああ…そうだな…後でシャワー浴びるわ…」

「…何か変じゃない?具合悪いの?」

「や、だ、大丈夫大丈夫、疲れてるだけだって」

「ふぅん…」

訝しげな表情をしながら、蒲公英はドアを閉める。

「じゃあ…部屋で暴れないでよ?」

パタンと閉じるドア。

蒲公英が出て行ったのを確認して。

「……ふぅ」

滑らかな赤い髪の女性が、布団の中から顔を出した。