「ところで…」

ガシッと。

何者かが背後から、龍一郎の肩を摑む。

「あー…」

頬に汗をタラリと流すティーダ。

「…龍一郎」

ルナがクスッと笑う。

「御愁傷様…」

龍一郎の肩を摑む、節くれだった大きな手。

白い手袋をつけたその手に、龍一郎は見覚えがある。

「橘 龍一郎」

赤い双眸が、爛々と輝く。

「ルナの清らかな唇を奪うとは、貴様なかなかいい度胸だ…串刺しにするぞヒューマン」