可愛らしいとも言えるルカの表情に、憤怒が表れる。

彼は彼なりに、正しいと信じて事を為したのだ。

それを頭ごなしに否定されては、怒りもあろう。

ましてや、『だからお前はガキなんだ』などと罵倒されては。

「我慢ならねぇって顔だな」

「ええ、我慢できません!」

一歩も退く事なく、ルカは寧ろズイと前に出た。

「やんのか?」

「…言っておきますけど龍一郎さん。僕が初等部の生徒だから何もできないと思ったら大間違いですよ?」

自信過剰とさえいえる台詞を吐くルカ。

「時間操作は大魔術です。これだけの高等技術が扱えるという事は、他の魔術にもある程度は秀でているという事です。魔術師それぞれに魔術の相性はあるものの、殺傷魔術だって使えない訳じゃない」