「おーい、何やってんだよ龍一郎」

先に行っていたティーダ達が、龍一郎に呼び掛ける。

「どうしたー?禿鷲が何か悪さでもしてんのか?」

「…いや、何でもねぇよ」

龍一郎は後を追って歩き出す。

何しろ事が突拍子もなさすぎる。

まだティーダ達には、事態を語るべきではあるまい。

下手に話してティーダと蒲公英まで気まずくなったら、リュートやティグルまで生まれなくなるという事になりかねない。

事態は慎重を要するのだ。

ガサツで雑な龍一郎に、こんな状況を背負わせるとは。

一体どこのどいつが、こんな企みを巡らせたのだろう。