「責任を擦り付けようとした事は謝ります。でも!」

ルカは声を大にする。

「よくない出来事をなくそうとした僕の考えは、間違ってないでしょうっ?辛い記憶や悲しい記憶なんて、ない方がいい!だから歴史改変して、幸せな思い出だけにしようとしたんです!僕は悪い事してないですよねえっ!」

「いいや」

龍一郎は即座に否定する。

「この大馬鹿野郎が。腕は立ってもまだまだガキだ。思い上がりやがって」

「な…」

絶句するルカ。

「いいか、ルカ」

龍一郎はルカを見据える。

「そりゃあツレェ思いなんて、誰もしたくねぇ。悲しんだり痛ぇ目見たり、誰だってしたくねぇに決まってる。だけど、起きちまったもんは仕方ねぇんだ。それを乗り越えて、仲間と協力して支え合って踏ん張って、もう二度と思い出したくなくても、同じ事繰り返さねぇように教訓にすんのが歴史であり過去なんだ。都合が悪ィから、後から消しゴムで消すみてぇになかった事にしちまえってのは、臭ぇもんに蓋をすんのと一緒だ!それじゃあ反省にも教訓にもなんねぇんだよ!テメェがやったのは、慢心したクソガキのいらん事なんだよ、この馬鹿野郎!」