「っ…」

息を飲む、ルカの気配。

「バルトメロイがヴラド学園長に連行されて、何らかの処分を受けてる以上、もうこの時代に黒幕と言える奴はいねぇって事になる。時間操作が使えそうな奴は、この時代には存在しねぇ。黒幕は、この時代にはいねぇんだ」

「そ、そんな…バルトメロイ会長以外に、あんな大魔術を行使できる人はいないのに…」

「……」

「だとしたら、誰がどうやって、龍一郎さん達をこの時代にタイムスリップさせたっていうんですか?」

「……」

「まだ僕らの知らない存在が、どこかに潜んで…」

「なぁ、ルカよぉ」

龍一郎はルカの言葉を遮った。

「そろそろしらばっくれるのは止めにしねぇか?あんまり歳上をからかうもんじゃねぇよ」

「…………え……な…何を言って…」

「時間操作を行使できる奴は、いるじゃねぇか」

龍一郎はルカを睨む。

「今、俺の目の前に」