難しい顔をする龍一郎。

そして彼は間違いなくこう言うだろう。

「…わかったよ、じいちゃん。じいちゃんは無理な事言って、俺に諦めさせようなんてしねぇかんな」

…やっぱり。

『彼』は決して賢い男ではなかったが、人の真意を見抜く眼力は備えていた。

龍一郎が彼の生まれ変わりなら、必ず拓斗の言いつけは守るだろう。

「ノエルも」

拓斗はノエルの顔を見る。

「それで龍一郎の事は許してあげなさい。いいね?」

「父さんがそう言うのなら…だけど龍一郎、自分の体は大事にしなさい。いいね?」

「ああ…悪かったよ親父」

素直に頭を下げる龍一郎。