「龍一郎」

拓斗は穏やかに言う。

「今日から、毎日拳立て伏せ、腹筋、背筋、突きと蹴りの打ち込みをやりなさい」

「え…そんなん毎日やって…」

「各1000回ずつだ」

「1000回っ?」

拓斗の言葉にギョッとする龍一郎。

龍一郎が普段やっているのは、せいぜい100回程度だ。

「龍一郎は無茶をやるからね。無茶をやるなって言っても守れないだろうから、それくらいやるなら、無茶をやってもいいよ?無茶をやるなら、それなりの下準備が必要だからね」

拓斗はニッコリ微笑んだ。

「意地悪だと思うかい?違うよ。龍一郎に体を壊して欲しくないから、しっかり鍛えてほしいんだ」