途端に。

「っ!」

龍一郎は、ノエルの平手を食らってリビングの端まで吹っ飛ばされた!

「ノエルっち!」

「パパ!」

龍乃と蒲公英が、すぐにノエルの体を押さえて止める。

「ってぇ…」

口元を拭いながら、起き上がる龍一郎。

「父さん、決闘するなとは言わない。天神学園で武道をやってる男なら、そういう事もあるだろう。龍一郎は喧嘩っ早い所があるからね。どうしても堪え切れない時もあるだろう。曲がった喧嘩じゃなければ、父さんとやかく言うつもりはない。だけど」

ノエルは声を荒げる。

「秘伝や極意を軽々しく喧嘩で使うのだけは、父さんは許せない!」

「……」

無言のまま、龍一郎は俯く。