「心配する事ない…」

ルナが肩を落とした龍一郎に呟く。

「蛮が完全に諦めたら、すぐに彼氏役はお役御免にするから…それとも…」

妖艶に微笑むルナ。

「役じゃなくて…本当に彼氏になる…?」

「っ…」

こういう時のルナの表情は、実に魅力的だ。

大人の女性と少女の愛らしさが同居しているかのような顔を見せる。

ちょっと、彼氏役も悪くないかな…とか思ってしまう龍一郎。

『それは結構だ。ならば』

身の内で声がした。

『今度はあの淫らな体つきの女教師ではなく、吸血鬼娘を嫁に貰うか?』