血色のいい、健康的な蛮の肌。

思わず、ゴクリと喉を鳴らしてしまう。

「ごめん…じゃあ…ちょっとだけ…」

「遠慮するなよ。貧血程度で済むなら、気が済むまで飲めばいいよ。吸血鬼化は勘弁だけど」

「う、うん…」

控え目に、かぷ…と。

ルナは蛮の指先を噛む。

ジワリと牙の痕から血が滲み出す。

それを、飲む。

…カラカラに渇いた喉が、一気に潤されるような感覚。

以前蛮の血を飲んだ時は、こんな事思わなかったのに、何故だろう。

久し振りの吸血だから?

それとも、蛮に対する感情の変化から…?