学園長室での一悶着の後、ルナと蛮は学園を飛び出して行方を晦ました。

龍一郎の家に顔を出したのは、深夜になってからだった。

ヴラドの大捜査網を掻い潜っていたのだろう。

今も結界を張り、身を隠している。

「ねぇルナっちぃ」

蒲公英が2人分の食事を手に、部屋に入ってくる。

「私も帰った方がいいと思うよぉ？あんな事言ってるけど、学園長はルナっちの事が心配で仕方ないんだから」

「ぽぽちゃんとこは、両親が理解あるから分からないんだよ。ウチは絶対服従だから」

蒲公英から盆を受け取りながら言うルナ。

「お父様は、私が逆らえないと思っているの。たまにはこういう目に遭わせて、私の恐ろしさを思い知らせてやらなきゃ」

発想は、やはり親子だ。