「いつの時代も何も…」

ゆっくりと言葉を紡ぐバルトメロイ。

「魔道協会会長バルトメロイ・グレゴリオは、後にも先にもこの私1人しかいない」

「……」

龍一郎は、禿鷲と顔を見合わせたい気分だった。

「お前…時間操作で俺達をこの時代に戻したんじゃねぇのかよ?」

「何を言うか、魔術に無知な少年」

バルトメロイは呆れたように言う。

「時間操作だと?それは魔術でありながら魔術とは異なる神秘。魔術師達が目指す最終到達地点である力の発現の1つだ。例え魔人と呼ばれし者でも、時間操作など至難…おいそれと行使できるものではない」

「じゃあ一体誰が…!」

「……少年、お前達は本当に、時間遡行してこの時代に来たというのか」

バルトメロイ自身が、龍一郎の発言に驚愕していた。