臥龍?

臥龍だと?

幻想種の頂点に位置する竜種、その中でも東洋で猛威を振るい、大陸を蹂躙した後、この日本に上陸して以降、行方知れずと言われていた最強の龍ではないか。

「意外に名が知れていないのだな、父も。流石に西洋圏には疎い者が多いか」

軽く舌打ちする禿鷲。

「父だと?貴様、臥龍の子孫か?」

「鴉天狗との混血でな。ま…臥龍の雑種といえば雑種だ」

「……フフ、ハハハハハハハ!」

禿鷲の言葉を聞き、バルトメロイは笑った。

「貴重な竜種の血を、純血で守らず妖怪などという下賤なものと混ぜたか!流石は分別の付かぬ下等な人外よ!」

「……」

バルトメロイの嘲笑を、一頻り聞いた後。

「だがその下賤なものでも、雑種でも」

禿鷲は消える。

「こんな芸当は出来るようになってな」