天神学園校庭。

大きくドーム状に学園敷地を覆っていた桜の結界が、稲妻が走るようにスパークしている

普段は視認できない結界が、肉眼で確認できるほどに電光を発する。

結界を反応させるほどの強い悪意、或いは殺意が干渉している証拠だ。

「あ、龍一郎!」

先んじて校庭に出ていたティーダ、ルナ、蒲公英、蛮の4人が、やって来た龍一郎とすずに気付く。

「何事だよっ?」

「…決まってんだろ」

ギリッと歯噛みするティーダ。

…校門に、あの老紳士が立っていた。

片手で杖をついたバルトメロイは、薄笑みさえ浮かべてこちらを見ている。

「何か用かよ、クソ爺!」

怒鳴る龍一郎。

「…天神学園は教育がなっていないようだね。目上の人間に対する言葉遣いが全く出来ていない」

「いきなり龍一郎にフィンの一撃を撃ち込むのは、教育がなっているっていうの?」

反論とばかりにすずが返すが。

「無論」

バルトメロイは悪びれもしなかった。

「暴言を吐き、暴虐の限りを尽くして痛めつけていいのは、人外とそれに与する人間だけだ」