やはり、決められた歴史は歴史通りに進む。

時間操作という大魔術だろうと、邪魔などできない。

そんな事を確信していた龍一郎に。

『龍一郎』

突然、禿鷲が声をかける。

慌てて姿勢を正す龍一郎とすず。

「な、何だっ?どうした禿鷲ッ?」

『うろたえている場合ではないな』

禿鷲の声に、からかいの色はなかった。

『何者かが学園の桜の結界に干渉しているようだな』

「えっ?」

すずが声を上げる。

『尤も…何者かといっても、奴しかおらんがな』