「あー…居心地悪ィ…」

あまりの視線の多さに、校舎の屋上に逃げた龍一郎とすず。

「ごめんなの…確認不足だったの」

すずがショボンとなる。

「い、いや、別に迷惑してる訳じゃねぇけどよ…変な噂立つとお互い困るっつーか」

「……?」

すずは小首を傾げる。

「私は…困らないの」

「え゛」

いやいやいやいや、今更それは卑怯だろうよ。

学園きってのスペシャルバカと、男子生徒全てを虜にする魅惑の教育実習生がキスするような仲だと思われるのは、すず先生に悪いと思って、本当は歴史通りだと喜びたいのをグッと堪えてんのによ。

すず先生がそういう態度取ったら…。

「「……」」

顔を合わせては、気恥ずかしくなって目を逸らす2人。