随分と走った。
天神学園から遠く離れ、天神地区の郊外に達しつつある。
それでも一定の距離をとり…とらされ、という方が適切か…何とかすずは、見失う事なくバルトメロイを追跡していた。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
「遅いの、龍一郎っ」
ようやく追いついてきた龍一郎を小さな声で叱りつつ、視線はバルトメロイから離さないすず。
少しでも視線を逸らせば、あっという間に見失いそうな気さえする。
追いかけているだけで、あの老紳士がどれだけ化物なのかを思い知らされた気分だ。
歩道橋の上から、彼を監視する。
4車線の車道の脇、歩道をゆっくりと歩くバルトメロイ。
すず達からは、その背中だけが見える。
距離は凡そ、800メートルといった所か。
気付く筈がない。
なのに。
「!!!!」
突然バルトメロイは振り向き、瞬時に、そして的確に歩道橋の上にいるすずと龍一郎を捕捉した。
そして。
「がっっっっっっっっっ!」
バルトメロイが杖でこちらを指した途端、龍一郎の体が吹っ飛び、歩道橋の手摺りに叩き付けられる!
天神学園から遠く離れ、天神地区の郊外に達しつつある。
それでも一定の距離をとり…とらされ、という方が適切か…何とかすずは、見失う事なくバルトメロイを追跡していた。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
「遅いの、龍一郎っ」
ようやく追いついてきた龍一郎を小さな声で叱りつつ、視線はバルトメロイから離さないすず。
少しでも視線を逸らせば、あっという間に見失いそうな気さえする。
追いかけているだけで、あの老紳士がどれだけ化物なのかを思い知らされた気分だ。
歩道橋の上から、彼を監視する。
4車線の車道の脇、歩道をゆっくりと歩くバルトメロイ。
すず達からは、その背中だけが見える。
距離は凡そ、800メートルといった所か。
気付く筈がない。
なのに。
「!!!!」
突然バルトメロイは振り向き、瞬時に、そして的確に歩道橋の上にいるすずと龍一郎を捕捉した。
そして。
「がっっっっっっっっっ!」
バルトメロイが杖でこちらを指した途端、龍一郎の体が吹っ飛び、歩道橋の手摺りに叩き付けられる!