「で?」

声がした。

突っ伏した顔を上げる龍一郎。

「歴史改変阻止のアテはあるの…?」

教室の入り口。

軽く腕組みして、引き戸に寄りかかって。

すずがそこに立っていた。

「…すず先生」

龍一郎は立ち上がる。

「俺の話、信じてくれんのか?」

「正直、理解に苦しむの。だけど」

彼女はゆっくりと歩く。

「蒲公英は仕方ないとしても、異能の力を持つティーダやルナ、そして私も…最近何か違和感を感じているの。幾つかの出来事に、違う、こうじゃない、こうじゃなかった気がするって…既視感と同時に、違和感を覚えているの…龍一郎もそうでしょ?」

「そ、そうだ!そうなんだよ!」

流石俺の嫁!

龍一郎は、すずに飛びつかんばかりに身を乗り出した。